ここは以前営まれていた会社とご自宅のあるお庭。
広い敷地には、元々センスのいい奥さまがあちこちにお花を育てられていました。しかし10年ほど前に最愛のご主人を亡くされて以来、鉄工所は閉鎖し、誰にも会う気になれず、奥様は長年家の中でふさぎこんでおられたようです。
唯一気持ちが休まる時間は、お庭で土や植物にふれている時間だったそうです。自己流で黙々とガーデニングをされていたのですが、ご主人が残してくれた場所を、地域のみんなに楽しんでいただけるお庭にしたいと一念発起し、GARDENSに作庭を依頼してくださいました。
さっそくイメージを膨らませ、お庭のリフォームをはじめました。
ガレージだった屋根があるスペースには、ソファーを置いて、いつでもお客様を招いておしゃべりができるリビングのような空間に。たくさんの緑に囲まれてリゾートホテルにいるみたいです。
立派な石の門柱はそのまま活かしてお花のモチーフをデザインしたアイアンの門扉を取り付けて、シンメトリーに大人色の寄せ植えを配置しました。
植え込みの中の要所要所にオブジェを配し、小径をめぐる楽しさがある夢の庭園が完成しました。さっそく地元のオープンガーデンイベントに参加したところ、たくさんの方がお庭を訪れたそうです。
夢中でお茶を振る舞い、おもてなしをする中でずっと閉じてしまっていた心の扉が開く喜びを感じたそうです。いまではいつでもご近所の方が気軽に尋ねてきては、奥さまとお庭の話に花を咲かせる場所になったそうです。
まさにガーデニングセラピーですね。お庭には人を元気にしてくれる力があります。